タンパク食と慢性腎臓病(CKD)

タンパク食と慢性腎臓病(CKD)のお話(^^)

腎臓が悪くなると、医師からタンパク制限が必要と言われますね。

本当のところはどうなんでしょう。

腎臓の機能が低下していることを、慢性腎臓病=CKDと言います(わかりやすくいえば)。

一般に慢性腎臓病(CKD)とは、クレアチニンでどの程度を指すかといえば、

50歳男性は、クレアチニン1.1を超えたら、CKDです。

50歳女性は、クレアチニン0.8を超えたら、CKDです。

なので、女性の場合、クレアチニン0.8は腎機能正常だと思ったら間違いです。

女性のクレアチニン0.8は、慢性腎臓病=CKDと診断します。

そのようなCKD患者さんを対象に、タンパク摂取量と全死亡数を調べた文献があります。
(Nutrients 2018, 10(11), 1744)

下記画像は、慢性腎臓病(CKD)患者さんを対象にタンパク摂取量と全死亡数の関係を示しています。

65歳以上では体重60㎏の場合、タンパク60g/日(Moderate protein intake、MPI)の中等度タンパク摂取すると、タンパク30g/日(Very low protein intake、VLPI)の低タンパク摂取よりも全死亡数は明らかに下がります。 

つまり、65歳以上のCKD患者さんは、中等度のタンパク質を食べてるほうが長生きということ。

腎機能が低下しているご高齢者も、自分の体重程度のタンパク質は食べた方が健康で長生きしやすい。(^^)

では、ご高齢者がタンパク質をさらにもっと食べたらどうなるでしょうか?

実は高タンパク食は腎機能低下し、寿命も低下します。

タンパク質の中には、一定量のリンが含まれていますが、このリンが最近、話題になっています。

リン-寿命決定説です。

リンが老化を加速する老化の原因として、代表的なものを挙げますと活性酸素説ホルモン低下説有害重金属説遺伝子決定説テロメア説糖化(AGE)説などですが、老化の原因に、リンが重要な役割をしていることがわかってきました。ヒ…

福田 世一さんの投稿 2020年5月18日月曜日

詳細は割愛しますが、生鮮のお肉や魚よりも加工肉、加工チーズ(プロセスチーズ)、加工食品により多くリンが含まれています。

さらに、加工食品のリンは生鮮のお肉や魚のリンよりも、リンの体内吸収率が90%ととても高い。

加工食品でタンパク質を摂取するとリンの過剰摂取になりやすく、老化が早まります。

CKDと診断されたら、高タンパク食は控えたほうが良いようです。

高タンパク食とは、体重50㎏ならタンパク質1.3g/㎏以上、つまりタンパク質65g以上でしょうか。

CKD患者さんも中等度のタンパク質は食べたほうが良いのですが、過剰、過少は控えたほうが良さそうです。(^^)
CKD患者の中等度タンパク食1
CKD患者の中等度タンパク食2

MEC食ドクター福田世一

MEC食ドクター福田世一

肉卵チーズを優先、一口30噛む食事法(=MEC食)の普及活動をしている / 薬剤師 → 医師 / 日本透析医学会専門医、内科認定医、医学博士

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